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2025年度 入学式告辞

 

 

 

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
群馬大学を代表して、皆さんを心から歓迎いたします。

また、ご家族や関係者の皆様におかれましても、心からお祝い申し上げます。

群馬大学は令和五年に、そのルーツである小学校教員伝習所設立から百五十年を迎えました。本日、入学された皆さんには、群馬大学が次の百年に向かうための第一歩として、また、皆さんがそれぞれの未来へ向かうため、学問に励み、目標に向かって自らを磨き、大きく成長されることを願います。

さて、大学院や専攻科に入学する学生の皆さんにとっては、もう当たりまえのこととは思いますが、大学の授業について考えてみたいと思います。主に座学で行う授業を「講義」と言います。この「講義」には、「大学などで教授者がその学問研究の一端を講ずること」というような意味があります。普通、実験や演習に対比していいます。しかしながら、この「座学である講義」を、文字どおり「座って学んでいる」だけの受動的な学びでは、身につく知識やスキルは十分とは言えません。

本学においては、アクティブラーニングなど様々な工夫を凝らし、学生の皆さんの成長の一助となるよう学びの場を提供いたします。皆さんはこの「座学」であっても、積極的に授業に参画してください。

 

共同教育学部に入学する皆さん。共同教育学部のルーツは、先ほどお話しした群馬大学のルーツである、小学校教員伝習所に行き着きます。皆さんが入学する共同教育学部は、本学と宇都宮大学とで設置した、全国初の共同の教育学部となります。皆さんには、卒業単位の一部を、宇都宮大学が開設する科目をオンラインで受講し、学びを深めていただきます。

また、群馬県及び、県内各市の教育委員会や小学校・中学校と連携しながら、一年次から教育現場での実習を体験するなど、実践的なカリキュラムにより先進的な教育を行っています。

大学院教育学研究科に入学する皆さん。教育学研究科は、複雑・多様化する学校教育の課題に対応できる確かな倫理と優れた実践的能力を備えたスクールリーダー及び実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な教員になるため、より高度な専門性と豊かな人間性・社会性を備えた教員を養成します 。

特別専攻科に入学する皆さん。大学において修得した基礎の上に、障害児に関する高度の専門教育を教授します。

 共同教育学部、大学院教育学研究科、特別専攻科に入学する皆さんは、 児童・生徒から尊敬され、慕われる立派な教員となるために、研鑽を積み、大きく成長してください。


 情報学部に入学する皆さん。情報学部は、社会情報学部と理工学部電子情報理工学科情報科学コースにおいて実施してきた教育を統合して、令和三年度に設置した学部です。

情報科学とデータサイエンスの知識を統合した文理横断型の教育により、仮想空間と現実空間が融合する超スマート社会であるSociety 5.0を支え、IoT、ビッグデータ、統計的解析手法などのスキルを持ち、人文科学、社会科学、自然科学の知識を有した人材を育成します。

大学院情報学研究科に入学する皆さん。情報学研究科は、昨年度新たに荒牧キャンパスに設置されました。情報学研究科では、社会が現代の情報科学・データサインエンスに要求する広範な分野に対応するため、情報科学から人文科学、社会科学に渡る幅広い学びと研究の機会を提供します。

情報学研究科では、学部で修得したAI、データサイエンスなどのスキル、知識を、より先端的・実践的な場面で活用する能力を養うとともに、情報技術と関係する多様な専門分野について理解と洞察を深め、先端的な研究に携わる能力を養います。また、情報科学に関係する諸分野の概要を学べる科目を提供し、各研究分野と実社会との関係について、気づきと洞察を得る機会を提供します。

最近の情報技術と情報機器の進化には驚くべきものがあり、人工知能、AIやビッグデータの活用が、毎日のように話題に上るなど、大量の情報が発信され、活用される情報化社会が実現しています。

情報学部、大学院情報学研究科に入学する皆さんは、急激に変化する情報化社会をリードして行く高度専門職業人として実力を身につけてください。


医学部に入学する皆さん。医学部は、昭和十八年に設置された前橋医学専門学校が前橋 医科大学となり、発展してきたものです。

医学部には、医学科と保健学科があります。地域の医療や高度医療、さらに、先端的医学研究を担う医師、 看護師、保健師、助産師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士などの医療人材を養成しています。

大学院医学系研究科に入学する皆さん。医学系研究科では、医学部附属病院及び生体調節研究所などと連携し、がん、生活習慣病、神経難病をはじめとする病気の原因解明、治療、予防に向けて、先端的研究が行われています。

大学院保健学研究科に入学する皆さん。保健学研究科は平成二十三年度に設置されました。これまで行ってきたチーム医療のグローバルな推進活動により、群馬大学は、世界保健機関WHOから、チーム医療に関するコラボレーティングセンターに指定されています。

近年、新型コロナウイルスなど未知のウイルスや、麻疹のように一旦克服したと考えられたウイルスが、私たちの社会に出現し、人間に深刻な被害をもたらす危険性も決して無視できない状況にあります。医学部、医学系研究科、保健学研究科では、これら感染症に対応できる人材養成も目指しています。

また、医学部附属病院は、平成二十六年に判明した医療事故を真摯に受け止め、群馬を中心とする北関東の地域医療の基幹病院として、患者さんお一人おひとりに、安全・安心で質の高い医療を提供する、患者本位の病院を構築する取組を進めてきました。

医学部、医学系研究科、保健学研究科に入学する皆さんは、患者さんやご家族の大きな期待をしっかり受け止めて、医学、保健学の知識、医療技術の修得のみならず、医療の倫理を身に着けて、医学、保健学、医療の勉強に邁進してください。また、医療の現場では、多職種連携が医療の質を高め、患者安全を確保するために非常に大切です。このことも、学んでいく際に常に心にとどめていただきたいと思います。


理工学部に入学する皆さん。理工学部は、大正四年に開設された桐生高等染織学校から発展してきたもので、百年を超える歴史がありますが、これまでの学問分野にとらわれない視点を持つ人材を養成します。

大学院理工学府に入学する皆さん。理工学府では、多様化・複層化が進化する産業活動における諸課題に対して、俯瞰的なものの見方と、総合的実践力独創力を発揮し、社会からのニーズに応えることのできる高度専門技術者・先端研究者として我が国及び国際社会で先端的役割を担うことができる人材を育成します。

理工学部と大学院理工学府では、低炭素社会や省エネルギー社会を実現するテクノロジーの研究や、防災の研究など、様々な研究を行っています。近年、日本では大きな自然災害が発生しており、これらにより、多くの人命や財産などが失われております。

皆さんは先端的な研究に触れ、あるいは自ら研究に参画することを通して、次代を担う科学者、技術者としての基盤を作ってください。


大学院食健康科学研究科に入学する皆さん。本研究科は、今年度より設置され、皆さんが第一期生となります。

食健康科学研究科は、食品生産の開発、課題解決に資する総合的な高度専門知識を習得する目的で設置されました。

本研究科では、食品工学から健康科学にまたがる横断的な高度専門知識を身に付けていただき、食に関わる世界規模の課題解決や、高付加価値食品の開発などによる地域の産業振興に資する人材になるべく、強い意志と倫理観を育み、鋭意努力していただきたいと思います。


大学院パブリックヘルス学環に入学する皆さん。パブリックヘルス学環は、地域・国内外の公衆衛生上のグローバル・スタンダードの知識・技能を有し課題解決のために、高度専門家として、指導的役割を果たすことができる人材を育成することを目的に設置されました。皆さんはこのような人材になるべく、鋭意努力していただきたいと思います。

大学院医理工レギュラトリーサイエンス学環に入学する皆さん。医理工レギュラトリーサイエンス学環は、重粒子線医理工学の分野横断的連携を基盤として、理工学から生命医科学、医学・医療にわたる学際的学問分野を俯瞰的に把握し、責任感と倫理観を有し、先端研究を社会実装につなげるレギュラトリーサイエンスの素養を有する人材を育成することを目的に設置されました。皆さんは、地域・国内外の産業・医療関連の高度専門家として、指導的役割を果たすことができるよう鋭意努力していただきたいと思います。

 

学部新入生の皆さんは、専門教育の前に、まず、教養教育を荒牧キャンパスで受けることになります。

「論語」に、「学びて思わざれば則ち罔(くら)し。思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し」とあります。

「思う」というのは、「何が重要であるかを認識すること」で、「学ぶ」というのは、「これまでに築き上げられた客観的知識体系を学ぶ」ということだと思います。「何が重要であるかを認識すること無く、いくら客観的知識体系を学んでも実りある結果は得られない。また、何が重要であるかを認識していても、客観的知識体系の裏付けが無ければ、発展することは望めない」ということです。近年話題となっているChatGPTなどの生成AIの発達により、客観的知識体系は比較的容易にアクセスし、発信できるようになりました。しかし、アクセスできた知識体系が正しいものかどうか、また、それが正しいものとして、どのように使えば良いかを的確に判断する力が求められます。緑豊かな荒牧キャンパスでの一年間を有効に使い、教養教育を通して、主体的に的確な判断をする力を養うとともに、豊かな人間性を養って社会で活躍するための基盤を作ってください。

そのためには、勉学だけでなく、サークル活動やボランテイア活動などを通して、また、さらに本学が大学基金を用いて支援している海外への留学プログラムなどを積極的に活用して、国際的に通用する豊かな人間性を養ってください。

大学院や専攻科に入学する皆さんは、これまでに培った人間性や知識・技能をさらに高め、社会をより良い方向へと革新していく実力を身につけたリーダーとなってください。

大学の外に広がる世界は多くの課題を抱えています。日本では、少子高齢化、地方の衰退、異常気象による豪雨・豪雪などの自然災害、高度成長期以降に整備したインフラの急速な老朽化、国際競争力の低下など。世界では、新型コロナウイルスをはじめとする新興感染症、地球温暖化、資源の枯渇、食糧問題、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナ・ガザ地区における深刻な人道危機など、たいへん由々しき状況です。

 国連サミットでは、「SDGs」と呼ばれる十七の課題を解決するための目標を掲げています。これは、人類の一員である私たち一人一人が取り組むべき課題でもあります。また、未来を担う子供たちをはじめ、何の罪も無い人々が、傷付くことが無いような平和な世界を築いて行かなければなりません。

日本は少子化が急激に進行しており、令和六年の出生数は72万988人となり、9年連続で過去最低を更新しました。このような状況下でも、未来を担う若者が新しい価値を創造し、人類が直面する課題の解決に貢献するとともに、地域社会の持続的な発展を担っていくためには、「知の総和」すなわち人の数×一人一人の能力を維持・向上することが必須です。人の数が減少する状況下では、若者一人一人の能力が向上しなければなりません。あなた方も、このことをしっかり心に刻んでこれからの学生生活を送っていただきたいと思います。

「知の拠点として、地域の人材育成や地域社会を支える基盤となると同時にグローバルな視点で活躍できる大学」を目指す群馬大学は、「群を抜け、駆けろ、世界を」というキャッチフレーズを作りました。皆さんは、この「群を抜け、駆けろ、世界を」の心意気を持って、日本や世界で、リーダーとして活躍する人物となるよう、これからの学生生活を送ってください。

これから始まる群馬大学での日々が、皆さんにとって実り多いものとなることを祈念致しまして、入学のお祝いの言葉と致します。

 

                                                                         令和七年四月四日

                                                                           群馬大学長 石崎泰樹

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