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ヒト膵β細胞の新たな保護メカニズムを解明 ~新規糖尿病治療法の開発への可能性~

[CATEGORY] プレスリリース, 報道発表, 新着情報, 研究・産学連携

群馬大学生体調節研究所(群馬県前橋市)の、Li Jinghe 研究員、白川純教授らの研究グループは、横浜市立大学、アルバータ大学(カナダ)、シンガポール国立大学、徳島大学等との共同研究で、ヒト膵β細胞の新たな保護メカニズムを解明しました。

膵臓の膵島という組織に存在する膵β細胞の量が少なくなり、膵β細胞が作り出すインスリンが不足することが、糖尿病を発症する原因の1つとされています。糖尿病状態では、高血糖や体の中の炎症などにより膵β細胞にストレスがかかり細胞死(アポトーシス)に至り、さらなる糖尿病の悪化につながります。そこで、膵β細胞をこのようなストレスから守る糖尿病の治療法開発が求められています。

今回、私たちはイメグリミンという新しい糖尿病治療薬が膵β細胞に与える影響について詳細に解析しました。その結果、糖尿病により引き起こされる小胞体ストレスという細胞の生存に重要なストレス応答を変化させることにより、タンパク質の合成(翻訳)を回復させ、膵β細胞をアポトーシス(細胞死)から防ぐことを明らかにしました。興味深いことに、イメグリミンは小胞体ストレスで誘導されるタンパク質を一過性に上昇させることにより、ストレス応答を負に帰還して制御(ネガティブフィードバック)することがわかりました。

この膵β細胞保護作用は、マウスの膵島や糖尿病モデルマウスで作用するだけでなく、ヒトの膵島やヒト多能性幹細胞由来の膵島においても認められました。本研究によって、ヒト膵β細胞の新たな保護メカニズムが明らかとなり、糖尿病の治療法開発や再生医療の発展に貢献すると思われます。

本研究の成果はDiabetes誌(the American Diabetes Association:米国)に掲載されました。

詳細はプレスリリースをご覧ください。

本件のポイント

  • 糖尿病治療においてインスリンを作り出す膵β細胞を保護する方法が求められている。
  • 新規糖尿病治療薬であるイメグリミンの膵β細胞への作用は不明であった。
  • イメグリミンは膵β細胞で小胞体ストレス応答を調節し膵β細胞を保護した。
  • イメグリミンはネガティブフィードバック機構を介してタンパクの合成(翻訳)を回復した。
  • この効果は、ヒトの膵島やヒトの多能性幹細胞由来の膵島でも認められた。

プレスリリース

ヒト膵β細胞の新たな保護メカニズムを解明 ~新規糖尿病治療法の開発への可能性~

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