医学部卒業・大学院医学系研究科博士課程修了
わたなべ はるお
渡邉 治雄 さん (1949-)
長年に渡り各種の病原性細菌、特に赤痢菌、腸管出血性大腸菌(EHEC:O157)、劇症型レンサ球菌について、それらの病原性に関する遺伝子群の発現制御機構を分子遺伝学的に解明し、数多くの成果を挙げた。また1996年に大量発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事例について分子疫学的手法を用いてそれらの発生源と伝播形式を明らかにし、その制圧に貢献した。その事例後、食品由来感染症の集団事例を迅速に検知するシステム(PulseNet)を新たに構築した。そのシステムによって腸管感染症のdiffuseoutbreakの早期発見が可能となり、感染症の拡大阻止に結び付け、人々の安心、安全に多大な貢献をした。それら研究成果により日本細菌学会浅川賞、米国微生物アカデミー特別会員など多くの授賞を得ている。また、厚生科学審議会委員(座長)、内閣府食品安全委員会微生物専門部会座長、WHOの薬剤耐性に関する諮問会議委員など、国内外の委員等を歴任し、感染症対策への提言等に貢献した。それらにより、平成29年度食品健康影響評価事業等功労者内閣府大臣表彰、令和元年5月に叙勲(瑞宝重光章)を得ている。
経歴
昭和50年(1975) | 群馬大学医学部卒業 |
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昭和55年(1980) | 群馬大学大学院医学研究科博士課程修了 |
昭和55年(1980) | 国立公衆衛生院微生物部研究員 |
昭和60年(1985) | 国立予防衛生研究所細菌部第二室室長 |
昭和63年(1988) | 国立感染症研究所細菌第一部部長 |
平成16年(2004) | 国立感染症研究所副所長 |
平成17年(2005) | 東京大学大学院医学系研究科感染病態学教授 |
平成22年(2010) | 国立感染症研究所所長 |
平成23年(2011) | 厚生労働省厚生科学審議会感染症部会座長 |
令和元年(2019) | 瑞宝重光章受章 |