平成23年度地域貢献事業
医学部附属病院 地域肝炎治療コーディネーター養成事業

平成23年度地域貢献事業

担当者 : 医学部附属病院(肝疾患センター) 森昌朋 教授,柿崎暁 助教,山﨑勇一 助教

事業概要

 B型・C型肝炎を含む肝炎ウイルスは国内最大規模の感染症の1つである。自覚症状がないまま、病状が進行することもあり、肝硬変・肝臓がんへ進展してから発見されることも少なくない。近年、適切な治療法も開発され、早期に発見し治療することにより、病気の進展を防ぐことが出来る。そのため、国を挙げて対策に取り組むため、肝炎対策基本法が制定された。対策項目として、肝炎医療の均てん化の促進、予防・早期発見の推進、研究の推進などが挙げられている。本学医学部附属病院は、群馬県より平成20年3月に肝疾患診療連携拠点病院に指定されている。平成23年度の施策として、厚生労働省は、肝炎治療促進の環境整備のための「地域肝炎治療コーディネーター養成事業」を挙げている。「市町村の保健師等に対して、B型・C型肝炎に関する既存制度の知識などを習得させ、肝炎患者等が適切な治療を受けられるようコーディネートができる者を養成する。」としており、本事業では、地域肝炎治療コーディネーター養成のための研修事業を行った。

実施事業等

 地域肝炎治療コーディネーター養成研修を、群馬県健康福祉部保健予防課との共催で行った。県及び県内市町村の肝炎対策等担当者、県内地域医療機関及び民間企業等の医療従事者等を対象とし、拠点病院・専門医療機関の医師を講師とし、疾患・病態・治療(B型・C型慢性肝炎、肝硬変、肝がん)、インターフェロン助成制度、福祉制度に関する講習を行った。平成24年2月23日と3月8日の2日にわたって、群馬県庁2階ビジターセンターにて開催した。 講師として、肝疾患センターの職員に加え、群馬大学医学部附属病院の佐藤賢助教、堀口昇男助教、前橋赤十字病院の高山尚消化器科部長、済生会前橋病院の矢田豊消化器内科部長を招聘した。2回で合計約70名が受講し、講習終了後に認定試験を行い、基準を満たしたものには修了証書を発行した。 修了者は、市町村の担当者だけでなく、企業の検診室の保健師等も含まれ、より広範囲に啓発できたと考える。講習会の模様を撮影した写真と、平成24年2月24日の上毛新聞・朝刊の記事を別掲する。

平成24年2月24日 上毛新聞・朝刊
講習会の模様

期待される成果

 各市町村・職域に、肝炎患者に適切な指導ができるコーディネーターを養成することにより、肝炎医療の均てん化、肝炎治療促進のための環境整備が整い、厚生労働省が進めている肝炎総合対策が推進される。肝炎患者が適切な保健指導を受けることにより、肝炎診療が進み、ウイルス性慢性肝炎患者の治癒、肝硬変・肝臓癌による死亡数の減少が期待できる。肝炎対策事業の一環として、平成24年度は、肝疾患診療連携拠点病院だけでなく、専門医療機関でも患者相談窓口を創設し、アクセスの向上とさらなる啓発が目標とされることとなった。本事業は、それに先駆け、各専門医療機関の担当看護師・保健師・担当職員に研修を行っており、来年度以後の肝炎対策事業の遂行のためにも有用であったと考える。群馬県における肝炎診療の推進の一助になったと考える。