平成23年度地域貢献事業
医学系研究科,保健学研究科 高校球児のメディカルチェック

平成23年度地域貢献事業

担当者 : 医学系研究科(整形外科学) 高岸憲二 教授,
     保健学研究科(リハビリテーション学) 坂本雅昭 教授,山路雄彦 准教授

事業概要

 野球は日本国民が愛するスポーツの代表的なものであり、中でも高校野球は日本全国で行われている健全なる青少年スポーツである。 しかし、肩、肘関節など上肢に障害をおこして野球を続けることができなくなり、肉体的のみならず精神的にもダメージを受ける選手もみられる。 特に投手は投球回数も多いことから障害をおこす頻度が高い。群馬大学整形外科では、全国に先駆けて平成13年より、日本高校野球連盟群馬県支部に働きかけて群馬県内高校のメディカルチェックを行っている。現在までの結果については、日本整形外科スポーツ医学会や肩関節学会など多くの学会に発表してきた。群馬県における高校野球選手の運動器障害の検診を行うことにより、運動器障害の早期発見を行うとともに予防について適切なアドバイスを行う。

実施事業等

 平成24年1月22日(日)、2月4日(土)、2月5日(日)、2月11日(土)、2月12日(日)以上5日間土日に群馬県の高校67校各校2名ずつの投手に対して群馬大学医学部附属病院に来院していただき、整形外科外来にてメディカルチェックを行った。

 毎回、上肢ならびに脊椎外科を専門とする整形外科医、保健学科理学療法士が6から7人参加した。 土曜日は午後2時より6時まで、日曜日は朝9時より午後5時まで1校当たり30分かけて全ての高校の検診を行った。 検診項目は肩及び肩甲帯の視診、筋力、可動性、各種運動診及び手指、腰部、股関節の動きである。 今回は超音波装置を用い棘下筋、腱板、肩峰下滑液包炎の状態を調べた。検査後に各選手に診察結果を説明し、予防法としてはどのようにするとよいのか、また、随行した各校の監督に各校のピッチャーに共通に見られる問題点を指摘し、それに対する予防法並びに練習方法への適切なアドバイスを行った。

期待される成果

 検診を行った日に、各個人の結果を見せながら投手として直すべきところを指摘するとともに、監督にもアドバイスを行った。選手並びに監督から、今までに知らなかったアドバイスを受けることができたことへの感謝の言葉を多くいただいている。このままの状態で今回指摘した幾つかの点を放置すると肩、肘の障害になると考えられ、それを指摘して起こさないための練習方法を教えることができたことは大変有意義と考え、これを続けることにより、今回メディカルチェックを受けた選手のみならず同輩、後輩たちへの教育を考えるとその効果は計り知れない。 このような地道な努力により投球障害で苦しむ球児が少しでも減らせるとよいと考える。

 今回得られたデータをまとめて、過去の検診と同様に日本整形外科学会、日本整形外科スポーツ医学会、日本肩関節学会などに発表予定で現在データの解析中である。

高校球児のメディカルチェック