2010年度地域貢献事業
医学部 新任保健師の職場内研修プログラムの開発

2010年度地域貢献事業

担当者 : 医学部(保健学科) 佐藤由美 教授

事業概要

本事業は、群馬県における新任保健師の職場内研修(On the Job Training)プログラムの開発を目指すものである。

平成21年の保健師助産師看護師法改正により看護職の就業後の臨床研修が位置づけられたが、医療機関の看護職に比べ自治体に所属する保健師の現任教育体制は充分でない。また、群馬県内には保健師が数名~十数名で組織だった教育がされてない市町村が多く、現任教育の地域格差も大きい。とりわけ、職場内教育では、各自治体の職場体制や指導者側保健師の能力に大きく左右されるため保健師は就職した自治体により実践能力の向上に違いが生じている。このことから職場内教育方法の体系化や指導者育成が緊急課題となっている。

そこで、群馬県内の保健師を管轄する群馬県医務課との共同により、県内の保健福祉事務所・市町村の統括・中堅保健師を含めた『群馬県保健師育成ガイドライン─新任期─』策定ワーキングを組織し、新任期保健師及び職場内教育の実態と課題を調べ、その状況に即した効果的な教育方法を検討する。

実施事業等

群馬県健康福祉部医務課との共同事業として、以下を実施した。

①新任保健師へのインタビュー:

平成22年度に群馬県内の市町村と保健福祉事務所に就職した23名の保健師に対し面接調査を実施した。大学教員4名が対象者の各所属に出向き、担当業務、職場内教育実態、直面した困難とその対処、1年間の成長過程の自覚、新任期に求めるサポート等について半構成的インタビューを行った。得られたデータから、就業1年目の職務適応状況と課題及び教育ニーズを分析した。

②『群馬県保健師育成ガイドライン─新任期─』策定ワーキングの組織化準備:

次年度に研修プログラム開発を本格的に実施するために、検討チームメンバーの構成、検討会議の運営方法等について医務課と協議し、関係機関との調整を図った。

③群馬県内保健師リーダー研修会での結果公表:

群馬県医務課と群馬県国民健康保険団体連合会主催による「保健師リーダー研修会(平成23年3月17日(木))において、県内自治体の保健師主務者を対象に、新任保健師インタビュー結果を発表し、研修プログラム開発に向けてのディスカッションを行う。

*東日本大震災の影響により開催が延期され、平成23年8月3日(水)に実施。

期待される成果

群馬県内の自治体に就職した新任保健師23名へのインタビューから、保健師の就業1年目の職務適応状況や課題が明らかになった。

また、新任保健師が所属する自治体や配属部署によって職場内教育体制に格差があることが確認された。さらに、インタビューから、新任保健師の専門能力向上を助長するサポート内容や実務経験が具体的に見出された。これにより、新任保健師の教育ニーズと職場内の教育体制に即した『新任期保健師の職場内研修』の方向性が示唆された。

今後はこの結果を活用し、群馬県主催『群馬県保健師育成ガイドライン─新任期─』策定ワーキングの取り組みに関与していく予定である。平成23年度中には、研修プログラムを作成し、新任保健師への研修開催と効果検証まで共同で実施する。

本事業の実施を通して、県内保健師の職場内教育に対する認識を高め、その後の実践が推進されることが期待できる。