2010年度地域貢献事業
医学系研究科,医学部 高校球児のためのメディカルチェックおよびメディカルサポート

2010年度地域貢献事業

担当者 : 医学系研究科(整形外科学) 高岸憲二 教授,
     医学部(総合理学療法学) 坂本雅昭 教授,山路雄彦 准教授

事業概要

野球は日本国民が愛するスポーツの代表的なものであり、中でも高校野球は日本全国で行われている健全なる青少年スポーツである。しかし、肩、肘関節など上肢に障害をおこして野球を続けることができなくなり、肉体的のみならず精神的にもダメージを受ける選手もみられる。特に投手は投球回数も多いことから障害をおこす頻度が高い。本学整形外科では全国に先駆けて平成13年より日本高校野球連盟群馬県支部に働きかけて群馬県内高校のメディカルチェックを行っている。現在までの結果については日本整形外科スポーツ医学会や肩関節学会など多くの学会に発表してきた。群馬県における高校野球選手の運動器障害の検診を行うことにより運動器障害の早期発見を行うとともに予防について適切なアドバイスを行う。

実施事業等

平成23年1月から2月にかけて土日に群馬県の高校67校各校2名ずつの投手に対して本学医学部附属病院に来院していただき整形外科外来にてメディカルチェックを行った。

毎回、上肢ならびに脊椎外科を専門とする整形外科医、保健学科理学療法士が6から7人参加した。土曜日は午後2時より午後6時まで、日曜日は午前9時より午後5時まで1校当たり30分かけて全ての高校の検診を行った。検診項目は肩および肩甲帯の視診、筋力、可動性、各種運動診および手指、腰部、股関節の動きである。今回は超音波装置を用い棘下筋、腱板、肩峰下滑液包炎の状態を調べた。検査後に各選手に診察結果を説明し、予防法としてはどのようにするとよいのか、また、随行した各校の監督に各校のピッチャーに共通に見られる問題点を指摘し、それに対する予防法ならびに練習方法への適切なアドバイスを行った。

期待される成果

検診を行った日に各個人の結果を見せながら投手として直すべきところを指摘するとともに監督にもアドバイスを行った。選手ならびに監督より、今まで知らなかったアドバイスを受けることができたことへの感謝の言葉を多くいただいている。このままの状態で今回指摘した幾つかの点を放置すると肩、肘の障害になると考えられ、それを指摘して起こさないための練習方法を教えることができたことは大変有意義と考え、これを続けることにより、今回メディカルチェックを受けた選手のみならず同輩、後輩たちへ教育を考えるとその効果は計り知れない。このような地道な努力により投球障害で苦しむ球児が少しでも減らせるとよいと考える。

今回得られたデータのまとめた結果については、日本整形外科スポーツ医学会、日本肩関節学会などに発表予定で現在データの解析中である。

高校球児のためのメディカルチェックおよびメディカルサポート