平成19年度地域貢献事業
工学研究科 縄文土器の文化財科学教室

平成19年度地域貢献事業

担当者 : 工学研究科(機械システム工学専攻) 松原雅昭 教授、教育学部(技術教育講座) 三田純義 教授

事業概要

群馬大学工学部のある東毛地区(群馬県東部地域)には、多くの縄文遺跡が分布している。これに鑑み、東毛地区の小学校では、岩宿博物館及び桐生市教育委員会文化財保護課の積極的活動と相俟って、総合学習で縄文土器作りが頻繁に取り上げられている。他方、本事業実施担当者らは実験考古学と機械工学が融合した縄文土器材料の材料科学研究を行っている。本研究においては、再現製作された縄文土器材料(粘土と砂の混合物)について材料試験を行い、その強度(強さ)と靭性(粘り強さ)を調査している。「縄文土器の文化財科学教室」では、現在本学で行っている小中学生でも馴染みやすいと考えられる縄文土器に関する文化財科学の最先端研究を、みどり市立笠懸東小学校6年生6名に体験してもらった。実施目標として、参加した生徒の科学分野に対する興味を育てることを掲げた。なお、文化財科学教室の開催に当たっては、縄文土器作りで小中学生に対する指導経験が豊冨な岩宿博物館及び桐生市教育委員会文化財保護課の協力を得た。

実施事業等

平成19年12月2日より6日間の日程で、みどり市立笠懸東小学校6年生6名を対象に「縄文土器の文化財科学教室」を行った。
以下に具体的な実施内容を記す。

第1回目 (12月  2日午前9時30分~): 材料試験片及び縄文土器製作のための素地土作成(於:群馬大学工学部)
第2回目 (12月  8日午前9時30分~): 材料試験片及び縄文土器作り(於:岩宿博物館)
第3回目 (12月24日午前9時30分~): 材料試験片と縄文土器の野焼き(於:岩宿博物館)
第4回目 (12月25日午前9時30分~): 縄文土器材料試験片に対する強度・破壊靭性評価試験、データ整理及びデータ整理結果の検討(於:群馬大学工学部)
第5回目 (  1月12日午前9時30分~): 成果発表用資料作成及び発表リハーサル(於:群馬大学工学部)
第6回目 (  1月13日午前9時30分~): 成果発表会(於:岩宿博物館)

第1回目(12月2日午前9時30分~):材料試験片及び縄文土器製作のための素地土作成(於:群馬大学工学部)

第2回目(12月8日午前9時30分~):材料試験片及び縄文土器作り(於:岩宿博物館)

第3回目(12月24日午前9時30分~):
材料試験片及び縄文土器の野焼き
(於:岩宿博物館)

第4回目(12月25日午前9時30分~):
縄文土器材料試験片に対する強度・破壊靭性評価試験、データ整理及びデータ整理結果の検討(於:群馬大学工学部)

第5回目(1月12日(土)午前9時30分~):
成果発表用資料作成及び発表リハーサル(於:群馬大学工学部)

第6回目(1月13日(日)午前9時30分~):
成果発表会(於:岩宿博物館)

期待される成果

当初の「縄文土器の文化財科学教室」の計画では、桐生市及びみどり市から各10名ずつの参加者を見込むとともに、夏休みを中心とした実施を考えていた。事業の採用が9日末になったため、最終的な参加者は笠懸東小学校6年生6名に止まった。上記の点を除くと、日程も野焼きの実施が一日ずれたのみで、事故やけがをする人もなく、概ね順調に事業を終えることができた。

実施目標として掲げた「参加した生徒の科学分野に対する興味を育てること」は、参加児童及び関係者に対するアンケート結果から、ほぼ達成できたものと考えている。
みどり市教育委員会関係者からは、今後もこの事業に関連する内容で、協力関係を続けて欲しい旨の要望が出された。
東毛地区の小学生にとって縄文土器は興昧を持てる題材であると思われるため、来年度以降も関係各位の協力を得て、「縄文土器の文化財科学教室」を実施し続けたいと考えている。
なお、本研究に参加した6名の生徒達は、中学校進学後に「縄文土器の文化財科学教室」に参加した時に体験した「縄文土器の強度試験」の内容を全員が集まれる機会をなかなか見つけられない中、各自が分担して作業をしたり、家に持ち帰ったりして取りまとめ、研究報告を新たにまとめ上げた。その研究報告で平成20年度岩宿文化研究奨励賞学生部門に応募し、中学生部門優秀研究賞を受賞した。
その研究成果の中で、生徒全員が「貴重な体験ができてよかった」と感想で述べており、この点からも本事業の実施目標として掲げた、「参加した生徒の科学分野に対する興味を育てること」を達成できたものと考えている。