平成19年度地域貢献事業
工学研究科 小中学生・高校生のためのメカトロニクス工学体験学習-「ロボットと遊ぼう」プロジェクト

平成19年度地域貢献事業

担当者 : 工学研究科(機械システム工学専攻) 山田功 教授

事業概要

近年、児童・生徒の理科、工学離れが進んでいる。教育課程審議会においても問題となっており、早急な対策が必要であると指摘されている。現在の工学教育の問題点である、独創性の欠如、探求心の欠如は、小・中学生時代に身に付けておくべきこと、例えば疑問に思うこと、自分で考えてみることなどを体験していないことが原因のひとつであろう。自分の手でものを作り、自分自身で実験を行うことが独創性を養うことになると考えられる。現在の理科教育を補い、独創性を持つ子どもを育てる手助けをすることが、本大学の使命のひとつである。本事業は、未来を築く小中学生と高校生たちへ、メカトロニクス工学体験学習を通じて、探求心、独創性を養い、工学に興味を持つ人を育てることを目的とする。

実施事業等

平成20年1月26日(13時から17時まで)に、みどり市笠懸公民館において、第12回小学生向けイベント「ロボットと遊ぼう」を実施した。参加人数は、39名であった。実施内容は以下のとおりである。

  1. レゴブロックを用いて、マニュアル通りに虫ロボットを製作

    製作した虫ロボットを写真1(製作した虫ロボット)に示す。ロボットの機構の基礎を、ロボットを製作しながら学習した。親子で協力しながらの製作であり、早いところで30分、遅いところで45分程度で完成した。製作風景を写真2に示す。話を聞くところによると、親子共同でものを作ることは、ほとんどないとのことで、親、子ともに楽しめたようである。
  2. 3メートル競争と障害物競走のルール説明後、3メートル競走と障害物競走用のロボットを各自で製作

    今年のテーマは、3メートル競争と障害物競走である。3メートル競走のルールの概要と障害物競走のルールの概要を図1・2に示す。製作した虫ロボットを用いても、3メートルをまっすぐ進めないことをデモンストレーションし、改良をしないとゴールできないことを周知した。また、製作した虫ロボットを用いても、一つめの障害物すらクリアできないことを周知した。どのような改良をすると良いのかを考え、実現することがここでの大きな課題である。親子で相談しながら、いろいろなアイディアを出しており、苦しみながらも楽しんでいたようである。
  3. 練習を重ね、製作したロボットを改良

    考えたアイディアをもとにロボットに改良を加え、実際に試すことで、物作りの基本である「考える+作る+試す+また考える」というプロセスを体験できていた。なお、途中途中で、ヒントを与えることで、行き詰まりの時間をなるべく少なくする工夫をしている。
  4. 3メートル競走と障害物競走を実施

    短い時間ながら、それぞれの参加者のアイディアをもとにしたロボットで3メートル競走と障害物競走を実施した。他の参加者のロボットをみることで、様々な考え方に共感したり、すごいなと言った歓声が聞こえてきており、他の作品から学ぶことができていたようである。なお、競技中の様子を写真3、4に示す。子どもたちの真剣な様子が見て取れる。

なお、行事の一部は、2月にBSi「榊原・蔦のグローバルナビ」にて放送され、コメンテーターから「このような行事は理科離れ、工学離れへの対策として重要である。積極的に行うべきである。また、国立大学法人がこのような行事を積極的に行っていることに、びっくりした。」とのコメントが寄せられた。また、この放送後、他大学からこの行事、工学クラブに関して問い合わせがあったとのことである。

製作した虫ロボット

写真1  製作した虫ロボット

親子で協力しながらロボット製作

写真2  親子で協力しながらロボット製作

競技開始 まっすぐ3メートル走るかな?

写真3  競技開始  まっすぐ3メートル走るかな?

写真4  やっと0.5メートル
すでに曲がって走行している完走できるか?

図13メートル競走のルール概要

図1  3メートル競走のルール概要

図2障害物競走のルール概要

図2  障害物競走のルール概要

期待される効果

現在の小学生は、自分で考えるという経験が少ないといわれている。自分の持っている知識を用いて、自分で考える楽しさを体験できたと思う。この事業を続けていくことにより、思考能力の高い人を育成できるものと推察される。 また、BSi「榊原・蔦のグローバルナビ」で報道されたことにより、本学が地域貢献事業を積極的に行っていることをアピールできたものと思われる。