平成19年度地域貢献事業
医学系研究科 群馬メンタルヘルスネットワークの活性化と自助グループの育成

平成19年度地域貢献事業

担当者 : 医学系研究科(神経精神医学)三國雅彦 教授

事業概要

本事業は、群馬県内でメンタルヘルスに関わる医療関係者・福祉関係者のネットワークを構築・発展させるとともに、当事者・家族の自助グループの育成を目的としたものである。メンタルヘルスに関わる当事者・家族・医療関係者・福祉関係者は数多いが、それぞれが独自の活動を展開しており、立場・職種・施設を越えて連携できる機会は意外に乏しい。そこで、全県レベルのイベントを年1回催すことで、関係者が一同に会する機会を設けるとともに、上記の目的の実現を図っている。

群馬メンタルヘルスネットワークは、メンタルヘルスに関わる県内の様々な団体の連合体であり、これまで3回の「こころのふれあいフェスティバル」を開催してきた。

本年度は、群馬県が過去30年にわたって主催してきた「群馬県精神科病院在院者バザー展」との共同開催として、「平成19年度こころのふれあい・バザー展」を実施した。本イベントは、群馬メンタルヘルスネットワーク及び群馬大学に加えて、群馬県、群馬県精神保健福祉協会、群馬県社会福祉協議会、日本精神科病院協会群馬県支部、日本精神科看護技術協会群馬県支部、群馬県精神障害者社会福祉施設協議会、群馬県こころの健康センターが主催者として参画し、大学・地域・行政の協力体制で実施している。

実施事業等

9月8日(土)~9日(日)に県庁1階の県民ホール及び昭和庁舎を会場として「平成19年度こころのふれあい・バザー展」を開催した。活動交流・研修会・講演会の3部構成であった。

活動交流は、活動紹介・作品展示・ハザー(23団体と16病院)、当事者交流・ふれあい広場(群馬県作業療法士会と群馬県精神保健福祉士会)、室内楽(群馬交響楽団有志)、リズム体操(高木和子先生)、声楽(群馬大学医学生サークルのムジカ・ノヴァ)を行なった。

研修会は、専門家向けに「精神療法あれこれ」(東京医科大学・飯森眞喜雄教授)、相談窓口担当者向けに「面接技法」(精神保健福祉士会とリスの会)、当事者や家族も交えた「SST入門」(群馬県立精神医療センター・浅見隆康先生、SST普及協会認定講師・石関富美子先生)を開催した。

講演会は、脳出血による半身麻痺の経験に基づく「回想は生きる力」(元東洋英和女学院大学長でノンフィクション作家の塚本哲也先生)、「自閉症児が変わるとき-子どもの願いに寄りそって」(都立しいの木養護学校教諭・佐藤比呂二先生)を開催した。

活動交流・研修会・講演会ともに、当事者・家族・一般市民・医療関係者・福祉関係者が多数参加した。

県民ホール

当事者交流・ふれあい広場

塚本哲也先生の講演会「回想は生きる力」

研修会・SST入門

期待される成果

本事業の成果の第一は、「平成19年度こころのふれあい・バザー展」への参加者にメンタルヘルスについての理解を広めることにある。こころの病に苦しむのは自分だけでないというメッセージを当事者に伝えること、こころの病を含めて障害を負うリスクは誰にもあるが、日常生活能力の低下はあっても生命の質の向上が可能であることについて市民の理解を高め、支援に立ち上がる機会を提供できることが期待できる。
成果の第二は、このイベントの準備過程を通して、メンタルヘルスに係わる多職種がその技能と相互理解を深めて、連携の強化を図ることである。全体の準備会だけでも、4月から5回のミーティングを実施して活動交流・研修会・講演会の企画・準備を行ってきた。その中で、医療福祉関係者がそれぞれに顔見知りとなり、これまでになかった新たな交流が数多く生まれた。このようにして、群馬県内でメンタルヘルスに関わる多職種のネットワークが形成されてきている。
成果の第三は、そうした活動に本学が積極的に関わることができたことである。群馬メンタルヘルスネットワークの事務局は、本学のスタッフが務めた。また大学院生が当日までの準備の過程に参加することで、メンタルヘルスマインドを育て、地域貢献の実際を体験することで、白身の研究の意義についても深く認識することができた。さらに、本学医学生のサークルがボランティアとして演奏に協力することで、学部学生時代からこうした活動に触れることができた。