平成19年度地域貢献事業
教育学部 車社会が県民生活に及ぼす影響評価

平成19年度地域貢献事業

担当者 : 教育学部(保健体育講座) 柳川益美 教授

事業概要

平成14年度からの継続事業「車社会が県民生活に及ぼす影響評価」群馬大学健康づくりプロジェクトは、前橋市街中の「にぎわい」を「前橋市街中健康づくり・地域づくり」事業から取り戻すことを企画し、その実践を試みた。街中のにぎわいは、そこに住む地域住民が健康で、そして活力・地域力のある生活基盤を持っていることに起因すると思われる。しかし、現在の前橋市街中は、高齢化が進み、高齢者人口比率が35%を超え、車社会の影響等から中心街のにぎわいは郊外のアウトレットヘ、その結果、経済も低迷し、にぎわいを取り戻すことの課題解決が喫緊の問題となっている。群馬大学健康づくりプロジェクトは、街中のにぎわいを取り戻すために、健康づくりに関する様々な活動を、地域活性化の活力・地域力に転化すべく健康づくりプログラムサービス・クラブサービスを行う。群馬大学健康づくりサービスは、街中の健康づくり・地域づくりから、健康的生活による消費生活を促し、また医療費、介護費用の削減につながり、街中ににぎわいを取り戻すことができ、いろいろな意味において大きな経済効果をもたらすことができる。平成19年度は、協働プロジェクトの設立、そして基本的生活スタイルの調査から主に実施する。

実施事業等

  • 対象地域

    前橋市街中央地区(人口約4,500人)「千代田町2丁目、千代田町3丁目、千代田町4丁目、千代田町5丁目、本町2丁目、表町1丁目、表町2丁目」

  • これまでの経緯

    1. 10月3日街中健康づくり・地域づくり説明会
    2. 11月26日街中健康づくり・地域づくり説明会
    3. 1月21日シンポジウム参加「健康医療都市前橋-ゲノム情報からの予防医学-」
    4. 1月25日街中健康づくり・地域づくり説明会/桑町会館
    5. 2月26日街中健康づくり・地域づくり説明会/北海亭  街中7地区に対して基本的生活スタイルに関するアンケート  調査用紙配布(200部)
    6. 基本的生活スタイルに関するアンケート調査の分析
    7. 3月23日、24日街中健康づくり説明会  食事に関するアンケート調査
    8. 健康ダイアリーの作成、配布準備
    9. 4月からの予定
      4月20日、27日にぶどう糖負荷試験、ゲノム調査、体力測定を行う予定
  • アンケート

    ○調査対象者人数  156名(男性93名  女性63名)
    ○調査対象者の平均年齢  68.4歳(男性67.4歳  女性69.0歳)
    ○調査対象者の年代別人数

    30歳代 2名 (男性 0名 女性 2名)
    40歳代 7名 (男性 3名 女性 4名)
    50歳代 15名 (男性 11名 女性 4名)
    60歳代 51名 (男性 29名 女性 22名)
    70歳以上 78名 (男性 48名 女性 30名)
    不明 3名 (男性 2名 女性 1名)

    ○測定内容  アンケートは、健康度・生活習慣診断調査(DIHAL.2,中学生~成人用)を用い、主に地域住民の健康度、生活習慣について調査した。

    1. 健康度
      ①身体的健康度  ②精神的健康度  ③社会的健康度
    2. 生活習慣
      運動:①運動行動・条件②運動意識
      食事:①食事のバランス②食事の規則性③嗜好品
      休養:①休息②睡眠の規則性③睡眠の充足度④ストレス回避
    ◯結果
    1. 最近の健康状態について(上位より)
      「4.かなり健康だと思う」 43.5%
      「3.どちらとも言えない」 30.1%
      「2.あまり健康ではない」 13.4%
      「5.非常に健康だと思う」 6.4%
      「1.まったく健康ではない」 1.9%
    2. 現在の運動の仕方によって(上位より)
      「4.現在運動をしていないが、これから始めようと思っている」 32.6%
      「5.現在運動をしており、長期にわたって継続している」 20.5%
      「2.現在運動をしているが、定期的でない」 18.5%
      「1.現在運動をしていないし、するつもりもない」 11.5%
      「3.現在運動をしているが、初めて6ヶ月以内である」 7.0%

期待される成果

アンケート調査後にそのデータを元に健康づくりプロクラムサービスを行うことで次のような効果が期待できる。
街中7地区に対する健康づくリプログラムサービスは、定期的な健康診断を習慣化し、その評価による健康状態からスタートする。健康評価は、アンケートによる基本的属性調査、フドウ糖負荷試験、体力評価、食事の評価、そしてゲノム情報よる評価を行う。最先端のゲノム情報は、例えば高血圧症になりやすい遺伝子を持っていることの情報がわかれば、より早い時期に日常生活から対策を講じることができる。このような医学的、遺伝子情報的、体育学的、栄養学的そして生活環境からの多角的な健康評価は、健康づくりプログラム作成に関して、より科学的な視点から行える。健康評価をもとに作成された健康づくリプログラムを実施することから健康生活の維持向上が期待できる。健康づくりに伴う運動プログラム、食事プログラムの実施などは、活動的な生活スタイルを促し、さらに消費意欲を向上させ、いろいろな意味において地域の活性化を促すことができる。
一定期間サービス後に再度健康評価を行い、プログラム評価、生活評価等の検証を行う。また、地域の医療機関との連携を試み、さわやか健診等の受診率を高めることなどの成果が期待できるクラブサービス(仲間づくり)は、健康調査結果、地域住民の体力、志向、また年齢等を参考に、健康づくり運動プログラム毎のクラブづくりから行う。1人1人の要求にあわせたクラブサービスは、高い運動意欲につながり、より高い運動効果が期待できる。
クラブサービスによる共通の仲間との活動は、お互いに協力する心や思いやる心が育まれ、コミュニケーション効果が高まり、地域力の向上が期待される。
それぞれのスポーツクラブにおける健康づくりは、運動・スポーツエリア、例えばウォーキングコースや運動施設の活用、充実、そして美化等につながる。街中にウォーキングコースを設置し、コースに街中の文化、歴史、名産物、自然等を織り込むことから街中の宣伝効果が期待できる。さらに、スポーツ工リアにおけるクラブサービス活動は、街中にスポーツ・運動している景色を造り、そのこと自体に街中がににぎわいをもたらす効果が期待できる。
連絡協議会を設立し、機能化させることから「街中健康づくり・地域づくり」の一層の効果が期待できる。街中を構成する様々な専門職が本事業に共同作業として関わることから、それぞれの専門的意見が集約でき、また全体意識も高まり、連絡協議会の経営機能が高まる。