平成28年度 学位記授与式 告辞

平成28年度 学位記授与式告辞

 群馬大学で学生生活を送り、本日、卒業あるいは修了の日を迎えた皆さんに、群馬大学を代表して、心からお祝いを申し上げます。また、巣立っていく皆さんを支え、励まし続けてくださったご家族の皆さま、関係者の皆さまには、さぞかしお喜びのことと思います。入学から今日まで、群馬大学を信頼し、常に関心を向けてくださいました皆さまに、篤く御礼申し上げます。

 さて、学生の皆さんにとっては、群馬大学に入学、あるいは大学院や専攻科に進学してから今日までの日々は、厳しい勉学の道のりだったと思います。今日、皆さんがこの学位記授与式を迎えたということは、皆さんが様々な困難を見事に克服したことを示しています。

 皆さんは、本日、学位記や修了証書を手にして社会へと巣立ち、あるいは大学院へと進学して、さらに学問を究めるなど、進む道は様々ですが、皆さんの大きな夢の実現に向けて、希望を持って歩み続けることを期待します。

 教育学部を卒業する皆さん、大学院教育学研究科を修了する皆さん、また特別支援教育・特別専攻科を修了する皆さん。皆さんは、大学における授業や学校現場での教育実習を通じて、教員になるための基礎を身につけました。小学校教員伝習所から始まる140年を超える伝統の力が皆さん一人ひとりの中に生きています。これからは、小・中学校の現場で子ども達一人ひとりが自分の未来を切り拓く力を持てるように指導するという、大きな責任を持つことになります。
 教育現場では、急速に発展したSNSでのいじめをはじめとする、これまで経験したことのないような問題が、次々と起こっています。これらの問題の解決に積極的に取り組んでください。小・中学校の先生の一言は、生徒の人生の方向性を決めることもあるほど大きな影響力を持っています。皆さんは、群馬の、そして日本の子ども達の教育に力を尽くしてください。

 社会情報学部を卒業する皆さん、大学院社会情報学研究科を修了する皆さん。21世紀は「知識基盤社会の時代」と云われ、情報がかつてないほど大きな価値を持つようになりました。最近の情報通信技術の発展には実に驚くべきものがあります。これに伴って、社会基盤を含めた社会の在り方が日々変わり、我が国は、第5期科学技術基本計画に示されたように、「超スマート社会」へと移行しつつあります。社会情報学部や大学院社会情報学研究科では、まさにこのような大きな変革の時代に活躍できる人材を養成してきました。  
 国立大学で唯一の社会情報学部、大学院社会情報学研究科で学んだ皆さんは、大学で培ったものを活用し、公務員や企業人として現代社会の諸問題に真摯に向き合い、これを解決することにより、明日の社会を切り拓いてください。

 医学部医学科を卒業する皆さん、大学院医学系研究科を修了する皆さん。最近の医学の進歩には、本学が特に推進している「重粒子線がん治療」などのがん医療をはじめとして、再生医療など、誠に目を見張るものがあります。皆さんは、医師として、あるいは医科学や生命医科学を修めた者として、お一人おひとりの患者さんに、安全・安心で、質の高い医療を提供するとともに、医学の進歩に貢献してください。特に、地域医療枠で卒業される皆さんには、群馬県民から大きな期待が寄せられています。群馬の地で研鑽を積み、リーダーとして群馬県の医療を牽引してください。

 医学部保健学科を卒業する皆さん、大学院保健学研究科を修了する皆さん。皆さんは、看護師、保健師、助産師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士としての基礎を学び、また、病院をはじめとする医療の現場で様々な研修を積んで、医療分野の幅広い研究をしてきました。
 我が国では、高齢化が急速に進んでいます。このような状況の中で、保健学科、保健学研究科の理念である「多職種連携によるチーム医療」を実践する重要な一員として、それぞれの専門性を発揮し、医療の現場で活躍してください。そして社会の期待に応える医療人となってください。

 工学部・理工学部を卒業する皆さん、大学院工学研究科・大学院理工学府を修了する皆さん。皆さんは創立百周年を超える伝統を持つ学部や大学院において、科学技術の基礎とその応用について学びました。情報通信技術が格段に進歩し、グローバル化が急速に進んだ日本の社会ですが、科学技術の進歩はますます加速しています。我が国も「科学技術イノベーション立国」を目指して、さまざまな取り組みを進めていますが、日本の優れたものづくりの技術で作った新しい高付加価値の製品もすぐに一般的なものとなり、日本の製造業は、次々と新しい技術を開発していく必要に迫られている状況です。皆さんはこれに応えて、新しい科学技術を創出し、「日本のものづくり」のリーダーとして活躍してください。

 さて、本日、学位記や修了証書を授与された皆さんは、本学において、21世紀の知識基盤社会で活躍して行くための多くの知識や技能を身につけてきました。 日本の社会は、“モノ”のインターネット(IoT)や人工知能(AI)などのサイバー技術が現実空間と融合して「超スマート社会」へと移行する、大きな変革の中にありますが、皆さんは、このような社会で、様々な課題の解決に当たることが求められます。皆さんは、学位記や修了証書を授与された者として、自からを信じ、あせることなく、これまで身につけた知識や技能を活用して、新たな価値、新たな革新を創り出して、直面する社会の課題を解決してください。そして、自分の夢の実現に邁進してください。群馬大学は、これからも、ずっと皆さんを応援しています。

 本日は、同窓会の会長の皆様にもご臨席を賜っています。今日を区切りとして、群馬大学のキャンパスを離れる皆さんは、同窓会や母校と折に触れて連絡を取ってください。世界中に広がる群馬大学の同窓生のネットワークが、皆さんの活躍を支えてくれることと思います。

 結びに、本日、学位記や修了証書を授与された皆さんの、明るい未来を祈念致しまして、私からのお祝いの言葉と致します。

平成29年23日

群馬大学長 平塚 浩士