平成27年度 学位記授与式告辞

平成27年度 学位記授与式告辞

 群馬大学で学生生活を送り、本日、卒業あるいは修了の日を迎えた皆さんに、群馬大学を代表して心からお祝いを申し上げます。また、巣立っていく皆さんを支え、励まし続けてくださったご家族の皆さま、関係者の皆さまには、さぞかしお喜びのことと思います。入学から今日まで、群馬大学を信頼し、常に関心を向けてくださいましたご家族・関係者の皆さまに、篤く御礼申し上げます。

 さて、皆さんが群馬大学に入学、あるいは大学院や専攻科に進学してから、今日までの日々は、一人ひとりにとって山あり谷ありの道のりだったと思います。今日、皆さんがこの学位記授与式を迎えたということは、様々な困難を見事に克服してきたことを示しています。学位記や修了証書は、皆さんの努力の結晶です。この学位記や修了証書を手にして、社会へ巣立ち、あるいは大学院へと進学してさらに学問を究めるなど、進む道は様々ですが、大きな夢の実現に向けて、一歩一歩、歩み続けることを希望します。

 教育学部を卒業する皆さん、大学院教育学研究科を修了する皆さん、また特別支援教育・特別専攻科を修了する皆さん。皆さんは、大学での授業や学校現場での教育実習を通じて、教員になるための基礎を身につけました。小学校教員伝習所から始まる140年を超える伝統の力が皆さん一人ひとりの中に生きています。これからは本物の先生として、子ども達一人ひとりが自分の未来を切り拓く力を持てるように指導するという、大きな責任を持つことになります。教育現場では、急速に発展したSNSでのいじめをはじめとする、これまで経験したことのないような問題が、次々と起こっています。これらの問題の解決に積極的に取り組んでください。小学校や中学校の先生の一言は大きな影響力があり、その生徒の一生の方向を決めることもあります。群馬のそして日本の子ども達の教育に力を尽くしてください。

 社会情報学部を卒業する皆さん、大学院社会情報学研究科を修了する皆さん。21世紀は知識基盤社会の時代と云われ、情報がかつて無かったほど大きな価値を持つようになりました。デジタル化による情報通信ネットワーク技術の発展には実に驚くべきものがあります。これに伴って、社会基盤を含めた社会の在り方が、日々変わりつつあります。このような、かつて経験したことがない、時代の波の中に私達はいます。社会情報学部や大学院社会情報学研究科では、まさにこのような時代に活躍できる人材を養成してきました。国立大学で唯一の社会情報学部、大学院社会情報学研究科で学んだ皆さんは、大学で培ったものを活用し、公務員や企業人として現代社会の諸問題に真摯に向き合い、解決することにより、明日の社会を切り拓いてください。

 医学部医学科を卒業する皆さん、大学院医学系研究科を修了する皆さん。最近の医学の進歩には、本学が特に推進している重粒子線がん治療などのがん医療をはじめとして、再生医療など、誠に目を見張るものがあります。皆さんは、医師として、あるいは医科学や生命医科学を修めた者として、お一人おひとりの患者さんに最適な医療を提供するとともに、医学の進歩に貢献してください。特に、地域医療枠で卒業される皆さんは、群馬の地で研鑽を積み、群馬県の医療を牽引する リーダーとなってください。
 本学医学部附属病院では、最先端の治療を提供することはもとより、安心・安全で質の高い医療を提供するために、更なる改善に取り組んでいます。皆さんも、患者さんの目線で、医学の基本である“安全で質の高い医療の提供”に常に思いを致し、医師としての職責を果たしてください。

 医学部保健学科を卒業する皆さん、大学院保健学研究科を修了する皆さん。皆さんは、看護師、保健師、助産師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士としての基礎を学びました。病院をはじめとする医療の現場で様々な研修を積み、医療分野の幅広い研究をしてきました。日本の社会では、高齢化が急速に進んでいます。このような状況の中で、保健学科、保健学研究科の理念である多職種連携による医療の重要な一員として、医療の現場で活躍してください。そして社会の期待に応える医療人となってください。

 工学部を卒業する皆さん、大学院工学研究科・大学院理工学府を修了する皆さん。皆さんは創立百周年の伝統を持つ学部や大学院で、科学技術の基礎とその応用について学びました。グローバル化の急速な進展とデジタル化の時代にあって、テクノロジーの進歩はますます加速しています。新しい技術で作った高付加価値の製品もすぐに一般的なものとなり、日本の企業は、次々と新しい技術を開発していく必要に迫られている状況です。このような中で、「科学技術立国日本」を支えるテクノロジーを創出し、新しい産業を興して日本社会を活性化する中核的人材となってください。

 さて、皆さんは今日まで、本学において、21世紀の知識基盤社会で活躍して行くための多くの知識や技能などを身につけてきました。しかし、実社会においては、大学で修めた知識や技能がそのままで直接役立つことは少ないと思います。今後は、社会の課題解決のために、皆さんが身につけた知識や技能を活用して、新たな価値、新たな革新を創り出すことが求められることとなります。
 皆さんは、大学を出た後で実社会の様々な変化や厳しい課題に直面し、学生時代に経験したことがないような、失敗や挫折を味わうことがあるかもしれません。実社会では、学生時代の勉強とは異なり、簡単に正解が見つかるとは限らないのです。しかし、皆さん、その時に、皆さんが本学において様々な困難を乗り越えて、社会で活躍できる十分な資質を身につけたことを思い起こしてください。
 南アフリカ共和国の大統領を務め、民族の融和を図ってノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラさんは、「生きる上でもっとも偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある。」と言っています。
 皆さんが味わうかもしれないこのような経験こそが、さらに自らを育ててくれるものとなります。皆さんが様々な場面で、リーダーとして決断をするときに、その経験が活きて、皆さんを支え、成功に導いてくれるものと思います。失敗を恐れずに、前に進んでください。

 本日は、同窓会の会長の皆様にもご臨席を賜っています。今日を区切りとして、群馬大学のキャンパスを離れる皆さんは、同窓会や母校と折に触れて連絡を取ってください。皆さんは、群馬大学で学んだことを基にして活躍されることと思いますが、世界中に広がる群馬大学のネットワークが皆さんを支えてくれることと思います。

 皆さんは、本日、学位記を手にし、学士、修士、あるいは博士となります。これらの学位は皆さんが群馬大学の学部や大学院で学問を修めた証です。群馬大学の学位を授与された者として、自信をもって夢の実現に邁進してください。私たちは、これからも皆さんを応援しています。

 結びに、本日、学位記や修了証書を手にした皆さんの明るい未来を祈念致しまして、私からのお祝いの言葉と致します。

平成28年3月23日

群馬大学長 平塚 浩士